日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English
防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 38, No.10 (2010)



表 題 ATP測定法を利用したアカントアメーバの栄養体およびシストの定量評価と抗アメーバ性試験法の確立
著 者 白井昭博,久保山泰典,室巻良彦,間世田英明,高麗寛紀(徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部)
掲 載 防菌防黴,Vol.38,No.10,pp.651-660(2010)

栄養体およびシストアメーバを対象にした細胞内ATP抽出によるATP測定法を用いたアメーバ定量法を確立した。Page's Amoeba Saline培地で調製したアメーバ懸濁液を48穴マイクロプレートに分注し,浮遊(上清)および付着アメーバ由来のATP量を測定した。調整アメーバ数とATP量の間に直線関係を示し,栄養体アメーバ1細胞当たりのATP量は5.00×10-3pmol,シストアメーバでは8.50×10-4pmolであると算出された。次に,ATP測定法によるアメーバ定量法を抗微生物剤の抗アメーバ活性試験に応用し,アメーバ形態変化とATP量変化に密な関係があることを認めた。以上の結果より,アメーバのATP評価にとっての操作法の基礎と抗アメーバ性標準試験法としての応用性を示した。
Key words Quantitative assay of amoebae(アメーバの定量評価)/Amoebicidal test method(抗アメーバ性試験法)/ATP measurement(ATP測定)/Acanthamoeba(アカントアメーバ).