日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 37, No.3 (2009)



表 題 白色蛍光灯照射下,二酸化チタン光反応によるファージ不活性化に及ぼす銅イオンと塩化物塩の共同効果
著 者 西岡 求,大西恭子,佐藤尚志,田谷正仁(大阪大学大学院基礎工学研究科)
掲 載 防菌防黴,Vol.37, No.3, pp.161-167(2009)

白色蛍光灯照射下において,二酸化チタン光触媒薄膜上での大腸菌ファージの不活性化に対する銅および無機塩の効果を検討した。反応液中に CuCl2と NaCl を添加した場合,10-154mmol/L の NaCl 濃度域で,不活性化速度定数が CuCl2のみ添加の場合に比べ4-4.4倍に増大した。KCl を添加した場合にも,NaCl と同様の効果が見られたことから,ファージ不活性化の向上は,銅と塩化物イオンの共同効果によるものと推定した。Cu(II)が光励起された TiO2上で Cu(I)に還元され,このCu(I)が塩化物イオンとの錯体形成で安定化されてフェントン型反応が進行し,不活性化活性が促進されるものと考えた。
Key words Titanium dioxide(二酸化チタン)/Phage inactivation(ファージ不活性化)/White fluorescent lamp(白色蛍光灯)/Chloride salts(塩化物塩)/Copper ions(銅イオン).