日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.8 (2007)



表 題 青果物/カット青果物の衛生管理法と微生物制御技術[11] 物理的微生物制御技術(2) 熱殺菌
著 者 五十部誠一郎 (農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.8, pp.519-526 (2007)

青果物などについては, 加熱処理すれば軟化等が生じ, 一般的な加熱処理である茹で処理では, 水溶性成分の溶出なども懸念され, 生野菜の対象となる微生物制御技術とは考えにくい。 過熱水蒸気処理では, 加熱初期に生じる素材表面での凝縮により大量の熱を素材に与えて, 短時間で表面を加熱することが可能であり, 付着微生物の殺菌効果が報告されている。 青果物などの微生物制御の目的においても付着微生物制御が主目的である。 そのため素材によっては, 過熱水蒸気などの短時間での加熱処理が素材に与える熱による変化が比較的軽微で高い殺菌効果を得ることから, 利用可能性が期待されている。
本講座では白菜, キュウリ, ニンジン, ブロッコリーなどを例に, 過熱水蒸気などの加熱処理による青果物の熱殺菌について, 筆者らが検討している微細水滴含有過熱水蒸気 (アクアガス) も含めて現状について紹介する。
Key words Heat treatment (加熱処理)/ Steaming(蒸し加熱)/ Superheated steam (過熱水蒸気)/ Aqua Gas(アクアガス).