日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 34, No.9 (2006)



表 題 非イオン界面活性剤添加弱酸性次亜塩素酸水の噴霧によるニワトリ種卵表面の消毒効果
著 者 小野朋子, 三宅真名, 山下光治 ((株)エイチ・エス・ピー 研究開発部)
掲 載 防菌防黴, Vol.34, No.9, pp.537-542 (2006)

弱酸性塩素酸水 (WAHW) は次亜塩素酸ナトリウムと塩酸を混合して pH5.5~6.5に調整したものである。 弱酸性次亜塩素酸水の噴霧が種卵消毒へ適用可能かどうか検討を行った。 WAHW をより卵殻表面の菌に接触させるため, 2種類の非イオン界面活性剤として, ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルを採用し, 各々を WAHW に添加した (P-WAHW, S-WAHW)。 WAHW, P-WAHW, S-WAHW の噴霧量は, 界面活性剤濃度100ppm の場合が最大であり, 噴霧粒子の pH および残留塩素濃度は WAHW, P-WAHW, S-WAHW ともほぼ同等であった。 WAHW, S-WAHW, P-WAHW (界面活性剤濃度50ppm) の卵殻表面に塗布した S. aureus の生残率は各々0.15%, 0.005%, 0.007%であり, 各々の噴霧濃度時間積は7.7, 9.0, 10.8mg×h であった。 同濃度時間積条件では, P-WAHW, S-WAHW は WAHW よりも卵殻表面殺菌に効果的であることが示唆された。
Key words Weak acid hypochlorous water (弱酸性次亜塩素酸水)/Nonionic Surfactant (非イオン界面活性剤)/Disinfection effect (殺菌効果)/Egg shells (卵殻)/Mist (噴霧).